春爛漫。桜が終わっても花見の楽しみはまだまだこれから。埼玉県きっての観光地、秩父も花盛りだ。可憐な山野草を求めて、横瀬町の「山の花道」を訪ねた。
特急電車を利用して所沢駅から約七十分。降り立ったのは西武秩父駅の二つ手前、芦ヶ久保駅だ。目指す「山の花道」は日向山山頂付近。まずは途中にある「あしがくぼ果樹公園村」に向かって歩き始める。のどかな山里の景色を眺めつつ、傾斜のきつい道路を二十分程登ると、観光農園が集う果樹公園村に到着。せっかくなので休憩がてらここで苺狩りをする。苺は目に楽しく、口に美味しい。口腔を満たす爽やかな甘みに、春の恵みを実感する。
苺に元気をもらい、ハイキングコースを利用してさらに上へ。木々の若芽を愛でながら小一時間程登ると、「山の花道」の入口に辿り着く。散策を楽しむ前に、まずは入口側の「木の子茶屋」で昼食タイム。この店は郷土色豊か。猪料理や蕎麦、蒟蒻が美味だ。
食事の後はいよいよ「山の花道」へ。この遊歩道は回遊式で、のんびりペースで一周約四十分。開けた丘を抜けると、お待ちかねの山野草エリアだ。整備された遊歩道を歩きながら、斜面に花を探す。「あっ、あった!」思わず声が出る。自然の中でひっそりと花弁を広げる山野草は、可憐でありながら凛としている。人に媚びない孤高の美だ。
取材時に咲いていたのは、アズマイチゲとカタクリ。本号発行の頃から五月初旬にかけては、ミヤマエンレイソウ、ニリンソウ、イカリソウ、ヒトリシズカ、ヤマブキなどが見頃だ。四月中旬なら、盛りを過ぎたカタクリも見つかるかも。
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これから見頃を迎える花たち。
左からミヤマエンレイソウ、ニリンソウ、ヤマブキ |
山野草の面影を胸に四十分下り、再び芦ヶ久保駅へ。駅前の「道の駅」を覗くと、地元ならではの野菜や花、加工品がズラリ。お土産を物色して、特急の出る横瀬駅まで電車で移動する。ここから足を伸ばし、日帰り入湯できる武甲温泉へ。春の柔らかな空を見ながらの露天風呂は格別。山歩きの疲れも湯船に解け、いい感じの幕切れとなった。
なお、今回訪ねた場所には、いずれも駐車場がある。足腰に自信のない方は車でもOKだ。ただし「山の花道」にはアップダウンがある。お出かけは歩きやすい格好で。 |