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資産としての不動産を見直す
●【住まい】第4号(2004年7月号)目次
1-資産としての不動産を見直す
2-熟年世代のためのリフォーム講座 Vol.3(全6回)
これから不動産価格は上がるのか、それとも下がるのか

 都心の一部商業系地域を筆頭に、地価が反転を見せる傾向がここ数年目立ち始めた。今年の春に発表された地価公示によると、こうした傾向が少し離れた周辺地域や都下、近県の住宅地にも飛び火し始めている様子だ。
  値下がり続きだった不動産がようやく、正常な市場構造に戻り始める中、消費者の資産性に対する意識もまた高まりつつある。年金や雇用をはじめとする将来の不安から、多くの人が買った値段で売却できる住宅を求めているのは明らか。最近、自宅の建て替えに賃貸住宅を併用するケースが増えていることも、自ら資産価値を具現化する表れの一例と言えるだろう。

 資産価値を最も良く表すのはやはり土地相場。地価公示で、全国住宅地の所在地別上昇率ベストテンのうち5位から8位までを独占した千葉・浦安は、前年比2・8%から3・3%の地価上昇となった。上昇には至らなかったものの東京都下の吉祥寺も、住居系26地点中5地点が前年比0・0%の横ばいとなり、吉祥寺エリアの下げ幅縮小に大きく影響した模様だ。
 こうした地価が横ばいもしくは上昇した地点がある一方、値下がりを続けている地域があるのも事実。すべての不動産が押しなべて値上がりする時代の終わりを象徴する。こうした二極化傾向は、物件選別によって将来的な資産価値に大きな格差をもたらしかねず、マイホームの購入においてはぜひとも値下がりしない不動産を手に入れたいというのが消費者に共通するところだ。
 ではどんな物件が値下がりしにくいのか、先の住宅地を交えながら具体的な例を上げて見てみよう。デフレ下でも比較的、高値安定と言われているのが成城や田園調布といった著名な高級住宅地。バブル期の暴騰から下げ幅もまた大きかったが、これらがいまだに高値で安定しているのは、街づくりとブランドの2つの要素が大きい。優良な街区として開発された上に高額所得層が集中し、これに長い時間を経た街の成熟度やブランド力が加わって、住宅市場の中でも特異とも言える位置付けを築き上げたことによる。
  お屋敷街などと呼ばれるこうした地域は都内にいくつか点在しており、地域相場のけん引役となっているのは周知のとおりだ。その中で注目したいのは、これら一部地域に限られていた動向が、徐々にではあるが周辺にも見られ始めたこと。

吉祥寺南町の街並み
吉祥寺南町の街並み

 地価公示の調査ポイントがあるJR吉祥寺駅の南方と井の頭公園に挟まれた吉祥寺南町一帯は、戸建てが立ち並ぶ住宅街。地元の不動産業者によると、地価公示で横ばいとなった「南町や本町は、実勢取引ではかなりの高値で取引されている。坪183万円のポイントがある南町は、今現在250万円でも買い手が見つかる」というほど、マクロな調査では表に出てこない優良エリアと見ることができる。また、浦安についても都心へのアクセスの良さ、充実した都市施設や商業施設の集積、大規模マンションの供給による人口増などといったもろもろの要因が重なって、地価上昇に大きく影響している。

 景気の回復感がいっそう強まれば、こうした隠れた優良地域がさらに顕在化してくることが予想される。今後、住宅を取得する消費者は不動産そのものの良し悪しや価格ばかりにとらわれず、町の住み易さや人気度などをも勘案した相場動向を把握して、資産価値の高い住宅取得を実現したいものだ。

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