「どんな靴を履くかで足の悩みは解消できるんです」
注文靴の店 藤製靴 店主 藤原孝治さん 納得いくまで調節を繰り返す
注文靴の店藤製靴とかかれた看板は目立つものではない。しかし外反母趾・リウマチ・タコ・うおの目など足のトラブルを抱え、ここを訪れる人は後を絶たない。「どんな靴を履くかで足の悩みは解消できる。」と話す店主藤原さんは、この道40年のベテラン靴職人だ。オーダー靴は採寸から完成までに数日かかる。しかしそれで終わりではない。履いて気になる所があれば徹底的に調節する。「足の感覚は人それぞれ。症状によっても違いがある。だから客が納得するまで直す。だから1ミリに満たない微妙な作業を何回も繰り返すこともある。」それでも藤原さんはお客様と、とことん付き合う。
苦労が実ったときほど嬉しいことはない
藤原さんが靴職人を目指したのが17歳の時、以来靴作り一筋にきた。浅草で修行をしていた当時はブランドものも手がけたが、10数年前に店を構え「人ができないことをしよう。」と考えたという。そこで足に悩みをもった人の靴が少ない、と知りこの道に乗り出したという。今では顧客も多いが、ここまでくるには並大抵ではなかった。「満足のいくものはなかなか出来なかった。一足一足が試行錯誤の連続だった。」と語る。
今藤原さんはリウマチのための靴づくりに力を入れている。55歳の女性のものという型を見せてもらった。かなり変形した形だ。「この靴は1年かかった。でもすごく喜ばれた。苦労が多いほど感謝されるね。そんなときは本当にうれしい。やりがいもあるね。この人は歩くことさえもままならなかったが、今度はブーツを頼みたいと言ってくれた。」
心打たれるお客様本位の姿勢
定休日は日曜・祝日だが「休みはあってないようなものだね。休みの日にしか来られない人もいるから。」徹底したお客様本位だ。「親方」と呼ばれている藤原さん。ぶっきらぼうに話す、しかしその仕事ぶりは靴にも人にも、優しさに溢れていた。
MEMO
藤製靴 所沢市旭町1-13
TEL04-2993-2006
(各種保険適用可)
|
「百人いれば百足の靴、客の一人一人に勉強させてもらった。昔も今も、これからも勉強だね」いかにも職人らしい謙虚だが力強い言葉が、藤原さんの靴の信頼性を感じさせるものだった。
(取材 小泉裕子) |