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アメリカ生まれのフリークライミング、
30年来その魅力に取り付かれた男だ
エピソード5
常に上を目指す、限界のない愉しみ
ソリストというスタイルで登る
村田さん |
名栗川の川辺にそそり立つ約20メートルの岩壁。かなり高い。「それでは登ってみますね」と、頂上から吊るしたロープに下半身に装着したハーネスをつなぐ、道具はそれだけ。岩の肌を手と足でつたい、スイスイと上昇。約5分で完登した。
完登したときの達成感がいい
フリークライミングとは手足を使って岩を登るスポーツ。フリークライミング歴30年という村田孝一さんはもともと沢登りを趣味としていた。しかし、当時アメリカからきたばかりのフリークライミングを知ると、その魅力に取り憑かれていったという。「奥が深いです。毎回同じクライミングはありません。それに常に上のグレード(岩壁の難易度)を目指して練習します。クライミングに限界はないんです。完登した時の達成感がまた、いいんです」と、目を輝かせる。
楽しみを確保するための開拓
奥武蔵をペースに各地で活動している村田さんは自身のクライミングを楽しむだけでなく仲間と各地で岩場の「開拓」も行っている。開拓とは新しい岩場を見つけ、自然の状態から整備し、ボルトを打ち込んでルートを作ること、だそうだ。「楽しみを確保するための楽しみですね」という。
熟年世代も楽しめるクライミング
「ムーブ」というクライミング用語がある。岩場の状態に合わせて体のポジションをとり、方向を定め、登っていく。「クライミングには対戦相手がいません。競技会などもありますが、基本的には自分のペースで行えるスポーツです。その自由な感覚がいいんですね。だから壮年者が多いですよ」。ハードな印象があるが、熟年世代も十分始められるという。80代で現役のクライマーもいるそうだ。
自分のブランドをもつことが大切
本業のサービス業の傍ら、週3〜4日は岩場に通う。天覧山クライムスクールの校長でもある。「自分はこれだという自身の『ブランド』を持つことが大切だと思います。それと楽しみは維持することです。体力、気力、どちらも必要ですね。そのために努力する、それも楽しさですよ」。50代とは思えぬ逞しい体格。「筋トレは欠かせませんね。食事にも気を使っていますよ」。と語る村田さん。フリークライミングのためなら、なんでも楽しみになってしまうのだ。
(取材 小泉裕子) |