「夫婦」を考えるとき、外せないのが性の問題。熟年期以降の夫婦の性について“人間と性”教育研究所所長・高柳美知子さんに伺った。
高柳さん曰く「日本は中高年の性に対して否定的ですが、これは誤り。人間はいくつになっても性的な生き物なんです」。そして「セックスは熟年期以降の夫婦にとっても大切なコミュニケーション手段。心と体がイキイキするためにも必要です」。
しかしここで問題になるのが夫婦のズレ。セックスを求める夫に対して「私はもう結構です」と拒む妻が多いのだそう。なぜなのか。
理由の一つは性教育の不備。女性は「月経は穢れ」と自分の体を否定され、「性はイヤラシイもの」と刷り込まれて育った。対する男性は自分が快楽を享受するセックスしか知らない。これでは女性にとっての性は不本意なオツトメでしかない。「男性は『女が喜ぶことが男の喜びである』と知るべき。女性は『性はイヤラシイものではなく、二人の関係を作り出すもの』と気付いて」と高柳さんは言う。
妻が拒むもう一つの理由は、仕事ばかりで私を置き去りにしたくせに・・・という「心の距離」。高柳さんはこの距離を詰めるのは夫の役目だと言う。「肩を揉んだり、荷物を持ったり。やさしさで妻の心を溶かして」と提案する。
男性の悩み、男性機能の衰えについてはこんな話が。「男性は勃起しないと自信喪失しますが、実は女性にとって挿入は大切ではない。やさしく触れてもらう方がいいのです。挿入に拘らず、お風呂で互いの性器を洗うなど、触れ合う心地よさを大事にしてみては」。
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「性とは生きることそのもの」というスタンスで話して下さった高柳さん。「熟年期以降は役割を終えた夫婦が『男と女』に戻れる貴重な30年。相手と出会い直していい時間を」――最後にそんなメッセージを添えてくれた。
(ライター:西村信子)
高柳美知子さんプロフィール
昭和6年生まれ。国語教師、NHK学園「人間と性」専任講師などを経て、現在“人間と性”教育研究所所長。「セックス抜きに老後を語れない」「高齢恋愛」「老いてなおステキな性を」など著作多数。
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