熟年ばんざい 50歳からのシニア世代向けホームページ
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特 集 「働 く」
●【安心】第19号(2007年 1月号)目次

1-特集「働く」 働く?働かない?みんなのホンネと実態
2-特集「働く」 「定年後は派遣で」という選択肢
3-特集「働く」 定年起業
4-まだ若いつもりでも… 運転技術も年を取る!?
5-熟年ココロの体操5 「家にいるなら家事もしてよ」とイラつく前に…

 趣味や旅行で楽しいリタイア生活を送るのもいいけれど、働くことで得られる充足感も手放したくない! 今号は定年後の仕事について特集します。

働く?働かない?  みんなのホンネと実態

 2005年に野村総合研究所が行った「団塊世代のセカンドライフに関するアンケート調査」によると、定年後も働きたい団塊世代は8割。しかもそのうち15%は起業志向なんだそう。皆さん意外に積極的だ。
  実際に定年を過ぎた現役60歳代の実態についてはこんな調査結果がある(※厚生労働省の「平成16年高年齢者就業実態調査」)。60代前半の男性の7割、60代後半の男性の5割が「収入になる仕事」をしている。女性の場合はもう少し割合が下がるのだが、やはり60歳代はまだまだ現役の模様。
  60歳で定年して65歳まで働くとして5年、70歳完全リタイアなら10年…これだけあれば新しい出会いも経験も、たくさん待っていそうだ。さて、あなたはどうする?

発見!新しい自分  定年世代の仕事帳

人生はチャレンジ!一区切り付いた今こそ、「自分のため」の仕事を。新しい門出に新しい仕事を選んだ、4人のケースを紹介する。

ケース1 ―――――――

不動産営業→造園業    辻野 利一 さん

 今年59歳の辻野さんは51歳の時、早期退社制度ができたのを機に会社を辞めた。当時教職員だった妻も「あなたは好きなことを」と後押ししてくれた。退職後は県の広報で見つけた職業訓練施設へ。一年間造園を学び、庭師に転身した。以降、知人のつてを中心に個人で依頼を請けている。
  主な仕事は庭木の剪定だが、時にはプランニングから手がけることも。「新しい世界で教わることばかり。面白いですよ」。またオヤツを食べながらの世間話など、会社員時代とは違うお客さんとの関わりも魅力だそう。
  ただし良い事ばかりではない。高所作業ゆえのリスクもあるし、体への負担も。「車で移動するので足腰が弱くなったし、肘や肩に痛みが。会社員時代よりゴルフが下手になりました」と苦笑い。
  辻野さんは70歳まではこのまま働いて、その後は徐々に仕事を減らし、75歳で引退する予定。「今の仕事は、暑い時期を避けたり、遠い場所はお断りしたり、マイペースで働けるのがいい。熟年世代には打って付けだと思います」。

〈辻野さん転身データ〉
【1】準備/熊谷高等技術専門校・造園科に一年間通学(※現在の造園科は半年)。【2】開業資金/梯子などの道具類購入に25万円(※軽トラックがない人は、プラス25万円必要)。【3】労働日数/繁忙期で週4〜5日、年間平均は週2〜3日。【4】日給/2万円弱。【5】年収/百万円。

●トピック・・・・・・・・・
県の職業訓練施設・高等技術専門校
  埼玉県には辻野さんが学んだ熊谷高等技術専門校を始め、8つの県立職業訓練施設がある。所在地は、さいたま市、川越市、飯能市などだ。用意されたコースのうち、熟年世代が受講できるのは一年コースと短期コース。後者は授業料不要なので、新天地で仕事を探したい人は活用してみては? ビル管理、パソコン、調理、起業、木工、造園、介護など様々な選択肢がある。問い合わせは埼玉県産業労働部職業能力開発課・公共訓練担当(048‐830‐4598)まで。

ケース2 ―――――――

郵便局食堂勤務→ホームヘルパー    柿崎 栄子 さん

 70歳になる柿崎さんは「有限会社カイゴー」が運営するディサービスセンター「みらい」の職員。若い仲間と一緒に溌剌と仕事をこなしている。
  郵便局の食堂の賄いをしていたが、局が移転になるのをきっかけに退職。40歳だった。直後はパートで店員などをした。
  その後公立の老人ホームの職員採用に応募、当時はまだ「寮母さん」と呼ばれての仕事だった。「若いときからこの職業に興味があったので思い切ってとびこみました。人が好きですから」と語る。その後、国の介護福祉制度も変わっていき、数々の研修を受け資格を得る。いくつか施設を変わったが定年まで勤め上げた。
  まだまだ働きたかった。職安で仕事を探した。ヘルパーの求人はあったが年齢的に無理だ、と言われた。そんな時、縁あってカイゴーの社長に声をかけられた。こうしてスタッフとして現役を続けている。
  現在は「家事援助」といわれる訪問介護が中心だ。買い物や掃除、洗濯などをする。時には、施設内での勤務もある。最年長ヘルパーとして頼りになる存在だ。ただ、「この歳になると介護してあげる方のほうが年下のこともあります。だから年齢のことは一切言いません」と笑う。仕事が健康の秘訣という柿崎さん。体が動く限り続けますよ、と頼もしい。

〈柿崎さん転身データ〉
【1】準備/現在は介護関係の職業に就くためには最低でもホームヘルパー2級の資格が必要。【2】労働日数/週4〜5日、1日3〜4時間。【3】労働日数/繁忙期で週4〜5日、年間平均は週2〜3日。【4】月収/5万円程度。但し仕事内容によって額は異なることもある。

●トピック・・・・・・・・・
  ホームヘルパー2級資格は、通学や通信で指定の講座を修了すれば無試験で取得できる。さらに実務を経て国家試験に合格すれば介護福祉士やケアマネージャーなどへの道もある。問い合わせは埼玉県産業労働部職業能力開発課・公共訓練担当(048‐830‐4598)まで。

ケース3 ―――――――

広告代理店部長→ブライダルプロデューサー    佐藤 光匡 さん

 佐藤さんの自宅は時にオフィスとなり、婚約したカップルが訪れる。「オリジナルウェディング」とよばれる結婚式をプロデュースするのが仕事だ。
「プロデュース」といっても何をするのか。要は結婚式の「仕掛け人」だ。式に必要なもの一切を手配し、セッティングする。
二人の希望に合わせて会場を決め、衣装や、花、ギフトなどを手配する。綿密な打ち合わせも重要だ。
  発注は懇意にしている専門業者へ。音楽の生演奏や撮影の要望があれば友人関係などへ依頼する。(但し料理だけは別。会場に任せる)「このブレーンが私の命です。低予算でできるのも、このおかげです」と佐藤さん。
体調を崩し広告代理店勤務を早期退職。その後結婚式場の司会者として再出発した。というのも人前で話すことが得意で、特に結婚式の司会は好評だったからだ。職業にするためにプロの手ほどきをうけた。
当時は仕事としては成り立つものではなかったが、その間に様々な式を経験し「オリジナルウェディング」のノウハウとネットワークを得た。
  現在では、口コミで評判が広がり順調に依頼が入るようになった。しかし「一回の式にかかる時間と労力を換算したら儲かるとはいえない」と笑う。でも好きな仕事をし、感謝されることが幸せ。収支は度外視だそうだ。「ホテルやレストランなど接客業を退職した方に向いていると思う。私の場合、年齢を重ねたからこそできる気遣いが、お客様に喜ばれています」と60歳の佐藤さんは語る。

〈佐藤さん転身データ〉
【1】準備/ブライダルに関係する業種にコネクションを作っておく。司会は、プロに師事。【2】開業資金/特になし。【3】労働日数(結婚式)/平均月5〜6回、2・8月は少ない。【4】収入/総予算の20%がプロデュース代。司会は5万円。

ケース4 ―――――――

工務店経営→NPO法人代表    植村 文彦 さん

 現在63歳の植村さん。3年前に自身で設立した工務店を後継者にゆだね、これからの人生は長年お世話になった地域の役に立ちたいと特定非営利活動法人(NPO)『エイジングサポート』を立ち上げた。
  もともと所沢市の小手指を中心に地域の工務店として事業展開していたのだが、高齢者や障害者の住宅を手がけた時に、行政の福祉対応が現実に即していない実態にひどく疑問を感じたのがきっかけだった。ただし一企業が行政に対して「物申す」という活動は利益誘導に捉えられがちなので、特定非営利活動法人の形式をとりニュートラルな立場で高齢者や障害者の人たちの生活を支えていけるお手伝いをしたいと思ったのだ。「NPOの形をとると、皆さんに知られていない有益な情報を入手できお知らせすることが出来ます。お金で解決できる人たちはよいでしょうが、私たちの目指すところは、生活介護や住宅問題の面で普通の高齢者の方々が普通の生活を出来る、ということなのです」。
  年齢は皆平等にとる。高齢者が住みやすい地域や皆が住みやすい、身近な問題解決で、今ある自分を育ててくれた地域に恩返しをすることが植村さんのこれからの生きがいなのだ。

〈植村さん転身データ〉
@準備/特定非営利活動法人の申請日2006年4月、認証2006年7月、登記日2006年7月、現在は活動内容の告知活動中。A開業資金/運営資金は公的助成金、賛助会員や利用会員からの会費で賄う予定。B労働日数/活動日数365日対応予定。C収入/報酬は基本的に植村氏は無し、実働スタッフのみ。

●トピック・・・・・・・・・
  特定非営利活動法人(NPO)とは、営利を目的とせず、社会貢献を目的として活動する民間の法人格を持った団体のことを言う。ただし、「非営利」なので「NPOが提供するサービスは当然無償」と思われがちだが、NPOが「非営利組織」と表すのは、あくまで「自己の経済的利益(営利)を目的としない」ということであり、団体が目的とする社会的利益を実現するために、その資金づくりの一環として有償の事業を行うことはよくあること。その場合は、その事業で得た利益を団体内で分配するのではなく、運営資金に活用すれば問題ない。
  NPO設立の手順は「設立総会」→「申請書作成、提出」→「承認決定」→「法人登記」→「設立完了」で、一般的には6〜8ヶ月間要する。

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