東海林のり子さんインタビュー
スペシャルインタビュー 東海林のり子さん
リポーター時代の話が誰かの役に立つ幸せを実感。
「現場の東海林です。」おなじみの台詞ですっかりお茶の間の顔となり、長年ワイドショーのリポーターとして事件の取材に奔走してきた東海林のり子さん。ビジュアル系ロックバンドの追っかけとしても知られており、同年代の熟年層はもちろん、若者からも高い支持を得ている。そんな東海林さんに、仕事やプライベートに至るまでいろいろなお話を伺った。
大変な仕事を続けられたのは、家族がいたおかげ
-リポーター時代はお茶の間の顔としてすっかりおなじみの存在でした。
もともとラジオ局のアナウンサーでした。長男の出産を機に退職してフリーになってから数年後、リポーターを務めてみないかと誘われたんです。実はリポーターを始めたとき、私は50代になっていたんですよ。金属バット殺人事件、埼玉の連続幼女誘拐殺人事件、日航機墜落など本当に大きな事件の現場で取材をしました。あの頃は連絡があればすぐに現場へ飛んでいけるように、いつでも黒やグレーの服を着ていましたね。肉体的にはハードでしたが、やりがいも大きく充実した毎日でした。
-ストレスなどは感じなかったのでしょうか?
凄惨な現場もありましたけど、自宅玄関のドアが気分転換の境界線になっていましたね。もし独身だったらこの仕事は続かなかったと思うんです。だって事件の影を引きずったまま、笑っている家族と接するわけにはいかないでしょう?育児で大変なときも夫がいろいろ助けてくれましたし、何より「疲れた」とか「大変だ」と言わずに過ごせたことが大きかった。だって口に出せば仕事を辞めなさいと夫に言われてしまいますから。私、やっぱりこの仕事が好きだったんでしょうね。
自分に暗示をかければ健康を維持できる
-なぜビジュアル系のバンド好きに?
たまたま仕事で『X JAPAN』と知り合って、彼らの音楽に対するパフォーマンスにとても納得できたんです。それから事件とビジュアル系ロックバンドの取材を同時進行で手がけるように。ちょうど少年事件が多発していた時期でね、若者に取材する機会も多かったのですが、ロックバンドの追っかけをしていた私に対しては「この人は俺たちの気持ちをわかってくれる」と思ってくれたんでしょう。なかなか本音を語ってくれない彼らが、東海林さんなら、と気さくに答えてくれました。
-ずっと追っかけも続けているそうですが、若さの秘訣は?
私は自分に暗示をかけて、常に健康であることを意思表示するようにしているんです。事務所に所属せず一人で仕事をしているので、絶対に穴をあけるわけにはいかないですから。それが奏功しているのか、めったに風邪も引きません。雑誌などから情報を得て、台所の流し台につかまってかかとを上下させたりしていますよ。内転筋が鍛えられて体も温まるし、とにかく何でもやってみることが肝心。あとは人間関係かしら。熟年になるとしがらみも多いけど、それを整理して好きな人とだけつき合う勇気も時には必要です。
今後は「誰かの役に立つ」そんな仕事をしていきたい
-今は講演活動などでお忙しいんですね。
ある講演会をしたとき、観客の方がおっしゃったんです。「私はガンで昨日退院したばかりだけど、東海林さんの話を聞いてたら治るような気がしてきました」と。あれは嬉しかったですね。会場には200人くらいのお客さんがいらしたけど、そのうちのたった1人でも私の話で元気になってくれるなら、これ以上の喜びはないわね。以前は自分のために頑張っていたけど、これからはリポーター時代の出来事を伝えることで、誰かの役に立てるような仕事をしていくことが目標です。
-熟年世代に向けてメッセージを。
私は「夢は叶う」と信じているし、皆さんにもそうお伝えしています。もしも今やりたいことが思いつかないならノートを一冊作って、そこにちょっと気になっていることを書いてみてはどうかしら。例えばフラダンスでもいいし、焼き物でもいい。そうすると自然と意識がそこに移っていくんです。支えになるものがあれば毎日が楽しく過ごせるし、気持ちも強くなります。私も声が出て動ける間は、仕事を頼まれたらずっと続けていくつもり。最終的には車椅子でも、という思いもあるんですよ。
取材後は、その足でビジュアル系バンドのコンサートに向かうと語っていた東海林さん。リポーター時代を彷彿させる溌剌としたお姿は77歳の今でも健在でした。いつまでも元気でロックバンドの追っかけを続けてください。 (聞き手 小熊久美子)
profile
東海林のり子
1934年5月26日生まれ。ニッポン放送にアナウンサーとして入社。1970年に退社後、フリーのリポーター&コメンテーターとして「小川宏ショー」や「3時のあなた」などのワイドショーを中心に活躍。ロック音楽への造詣が深く、XJAPANの追っかけリポートをはじめとした音楽バンドのファンとして、若者からの支持も高い。







